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/ / /. l `ヽ ` -=彡イ /.. ノ / , \. / / _人 / / 八 ヽ ヘ、 \ ,' / -‐ = ゝ / |! _\ | _ \ \ 乂 く \/ |l. | __ 八`ヽ l  ̄ ̄ヾ ` ー \ / /.八 ゞ 从t 了、\乂 | rェ‐ェ乂_ 、 !ゝ ¨ / i , \ ̄ ) リ ´¨¨ ̄ __  ̄ 从 / | 八 \、 ) 仄ヽ i )/、 ノ/ 、 `ヽ 、 ' __, | | | ´ \ 〃r===ゝ、 リ  ̄‐ ̄´ / `ヽ | リ |!、 , {l} //////∧/≧=- -i´ ̄ / ___ / ノ /ノ__. γ}{ ヽ ///////////∧ / __ /////∧ i. j/ 厂ノ ( i! ). /////////////∧\ (、/ レ/ ___//// | y / /`ヽ ゝ{l}く //////////////'∧ 辷  ̄ ̄く /// | l ./ ´ h) `¨´ ////////////////∧ \ ,' _\ | \ ヾ/////////////////,`ヽ Y `ヽ \ Yi 〕//////////////////`ヽ--.| 厂、 ヽ__) 、 \ (\_h/ | 辷彡 ´ 立立立立爪////////¨´ \ =≦ 廴__ _ , 斗ヒ´/////////ん//////∧ \ `¨ 、 ノ ≦__ー __`¨_¨´`ー‐´゙゙"////////∧ i __ 7 ` i//////////∧ | ヘ ヽ |///////////∧ レ/  ̄ ` _ /、///////////∧ ` __ ノ V///////////∧ ┏━━━━━━┓ 鹿目まどか┣━━┳━━┳┻━━━━━━━┳━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓┃建設┃0 救済の魔法少女 - 【戦闘前発動】戦闘の値がダンジョンで倒した魔法少女×200になる┃開発┃0 ┣━━━━━━━━╋━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫┃採取┃0 窮地の主人公 - 【戦闘前発動】戦闘の合計が負けている場合、戦闘を2倍する┃探索┃0 ┣━━━━━━━━╋━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫┃交渉┃0 ソウルジェム 10 好感に+10┃戦闘┃1600┣━━━━━━━━╋━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫┃好感┃0 魔法少女の弓 - 最終勝率+30%┣━━╋━━╋━━━━━━━━┻━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫┃木材┃0 攻撃 100┃石材┃0 守備 500┃土 ┃0 戦略 1000┃鉄 ┃0┃資金┃0┃魔力┃0┃食料┃0┗━━┻━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
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『ゆっくり108番勝負!!『まりさvs蟻』』 4KB 戦闘 お家宣言 自然界 現代 人間なし ありきたりですが 『ゆっゆぅ~~~~~……んっ!!いいおてんきさんなのぢぇ!!』 人気のない公園の一角に、まだ成体になりきっていないまりさがやって来た。 天候晴天、気温25度、湿度60%、この日は数週間ぶりの好天であった。 『ゆっ!にんげんさんはいないのぢぇ!』 まりさは辺り一帯を見まわし、人間の姿が見当たらない事を確認した。 『それじゃあいくのぢぇ!!せーのっ』 まりさは大きく息を吸い込み、天空から己を見守る神に伝えるかのような大声で叫んだ。 『ここをまりさのろいやるゆっくりぷれいすにするよっ!!!!』 小さなまりさの大きな声が鳴り響く。 『…………………………!(キリッ)』 生まれて初めて成功したぷれいす宣言。 ぷれいす宣言をすればその場所は自分の物になる、親の言葉は今でも忘れていない。 そう、たった今まりさは捕食種も人間もいない、広大な土地を自分の物にしたのだ。 『…………ゆふぅーーーー!!いっせいいちだいのおおしごとをしたらつかれたのぢぇ!』 体の小さなゆっくりは大声を出すだけでそれなりに体力を消耗する。 ましてやおうち宣言という大仕事の後。すでにまりさは草原に寝転がっていた。 『まりさはつかれたのぢぇ!!まりさのろいやるぷれいすはつのすーぱーおひるねたいむなのぢぇ!!!』 まりさは雲一つない青空を眺めながら深い眠りについた。 近くでうごめく、小さな黒いソレに気づくことなく…… ……………………………………………………………………………………………… …………………………………………………………………… ………………………………………… ………………………… 『まりちゃはでんせつのゆーしゃなのぢぇ…………………、ゆぎぃっ!?』 突如感じた鋭い痛みに、まりさは夢の世界から引き戻された。 『いぢゃいのぢぇ!!まりさのすてきなあんよさんが…………ゆ?』 人間に足を切り裂かれたと思い、自分の足を見てみる。 しかし自慢の足は傷ひとつないキレイな状態だ。 『ゆ?ゆっ??きのせいってやつなのぢぇ???』 まりさは?マークを頭の上に浮かべながら、再び寝ころんだ。 しかし 『っいぢゃい!!!!』 今度はほっぺに激痛が走る。 『なんなのぢぇ!!まりささまをいじめるわるいやつはいますぐでてくるのぢぇ!!!』 辺りを見回しても、やはり誰もいない。 しかし、目線を地面に向けてようやく把握した。 『………ゆゆっ!ありさんなのぢぇ!!』 そう、まりさを攻撃していたモノの正体は蟻だったのだ。 3匹くらいの蟻がまりさの様子を伺うように歩き回っている。 『まりさをいじめるくずなありさんはとっととしんでね!まりさがせいっさいしてやるのぢぇ!!』 まりさは一番近くにいた蟻めがけて、空高くジャンプした。 『ひっさつのせいっさいきっくなのぢぇ~~!!!』 まりさは蟻の真上に着地し、1匹を仕留めた。 残りの蟻は近くにあった穴の中へ逃げ込もうとしている。 『ゆゆっ!まりささまからにげようなんてむだなのぢぇ!!』 まりさは再び空高くジャンプした。 『ひっさつの~~~~』 だが、その間に蟻は穴の中に逃げ込んでしまった。 『ゆゆっ!?にげるなんてひきょーものなのぢぇ!せいせいどうどうとたたかうのぢぇ!!!』 まりさは穴に向かって文句を言いつける。 当然返事は無い。 『ゆぅ~~~、こうなったらせんてひっしょうなのぢぇ!!』 まりさは穴に舌を入れ、中にいる蟻を引きずり出そうと考えた。 『ゆっぷっぷ、おとなしくまりささまのかてになるのぢぇ~~~………、ゆびっ!!??』 今度は舌に強烈な痛みが走る。 思わずのけ反って痛みに悶絶するまりさ。 『ゆひぃ!!いた、いたいのぢぇ!!』 舌に噛みついた蟻を振り払おうともがくまりさ。 そんなまりさに追撃をかけるように、体の数か所が一斉に悲鳴をあげる。 『ゆぎゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!???!?』 あまりの激痛にただ悲鳴をあげるまりさ。 『な、なんでこんなにいたいのぢぇ……………!!!』 まりさは周囲を見てようやく気付いた。 いつの間にか無数の蟻に囲まれているではないか。 更に、先ほどの穴を見ると中から次々と蟻が姿を現す。 50、いや60かそれ以上の蟻に包囲されたまりさ。 その蟻の大群は、まりさには地獄の使者に見えたことであろう。 『や、やめるのぢぇ……まりさはなにもわるく、ゆぎひぃっ!!!!』 まりさが弁明を終える前に、蟻が一斉に襲い掛かる。 ある蟻はまりさの足を。 ある蟻はまりさの頬を。 ある蟻はまりさの口を。 ある蟻はまりさの髪を。 ある蟻はまりさの目を。 小さな大軍は大きな個体を素早く解体し、速やかに巣の中へと運んでゆく。 数分後。 そこに残ったのは、小さなおぼうしだけだった ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/757.html ゆっくりvs~~~ シリーズ第1弾。続編未定。 無惨に消えゆく様を表現したかったり 感想をもらえると作者が成長しようと頑張ります by お受験あき ふたば系ゆっくりSS感想用掲示板 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1280375581/
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「あ゙ー……くそっ」 深い溜息をつくと、翔太郎はソファに深くもたれかけて天井を仰いだ。 吹き抜けになったフロア、まるでホテルのような造りのそれだが、鼻をくすぐるアルコールの匂いに ここが病院である事を思い出す。 美樹さやか、彼女の付き添いとして此所に通うようになった訳だが、この風景、やはり慣れない。 風都に馴染みきった身体には、見滝原の近代的過ぎる建築物はしっくりこない。 が、しかし、目下の問題はそんな事より。 「ほんとに何考えてんだ……フィリップの奴」 相棒、フィリップの事。 『――翔太郎、やる事ができた。以後、僕は別行動を取る。鹿目まどか達の事は君達に任せた』 短い語句で必要な事柄だけを告げ、それだけ。以降、一切の連絡なし。 暁美ほむら、彼女を追って飛び出した後に何かあったのだろうが、しかし。 「……しっくりこねえな」 状況から察するに、フィリップは彼女と会い、その結果、別行動をする決断に至ったに違いない。 だとすれば、その理由は何か。 色々と推測を並べてみる。しかし、どれもピッタリとピースが当てはまらない。 あのフィリップをここまで積極的に行動させる要素が彼女には見当たらない。 無論、『魔女』や『魔法少女』というキーワードに興味を示してはいたが、それなら彼女でなくても良いはず。 それこそ、亜樹子と一緒にいる巴マミに興味を持つ方が、話としてはすんなりくる。 なのに、フィリップは暁美ほむらに興味を示したのだ。 ――暁美ほむら『だけ』に。 「ほむらちゃん……だけにか。あの子に何があるってんだ、フィリップ?」 ヒントもなく、ばらばらになったパズルピースも当て嵌める事もできず、思考にモヤがかかる。 「だぁ、くそっ! 訳わかんねえ!!」 苛立ちに頭を掻き毟ろうとした時だった。 「左さん」 その声に思考のスイッチを一瞬で切り替える。 探偵らしく、笑顔を彼女に向ける。 「よお、さやかちゃん。終わったのかい?」 「あはは……はい」 美樹さやか、彼女に。 さやかを横に伴い、翔太郎は見滝原の街を行く。 愛機ハードボイルダーを押しながら、四車線道路を切れ目なしに 行き交う車達を横目で見送る。 こうして歩いている間も、考えはまとまっていない。 フィリップの真意も分からないまま。 相棒の行動は信頼してるが、その目的を見抜けない自分に歯痒さを覚える。 苦々しい気分、思考のループに陥りそうになったその時だった。 「――って、左さん。話聞いてる?」 隣から張り上げられた声に、翔太郎は視線をさやかに移した。 頬を膨らませて、非難めいた表情をこちらに向けていた。 「あー聞いてる聞いてる」 「聞いてないじゃん、このこのー」 おちょくるように翔太郎をさやかは肘で小突く。 「や・め・ろ」 「なはは~」 ころころと、鈴のような笑い声をあげるさやか。だが、それが不意に止まる。 「…………」 「…………」 お互いに無言、話を切り出す事もないまま道を行く。 そして、プツリと車の列が途切れ、周りが静寂に包まれた。 「――ねえ、左さん」 先に沈黙を破ったのは、さやかだった。 「なんだ、さやかちゃん?」 「――左さんはさ、なんで戦うの?」 静寂に包まれた近代都市に、その声が響いた。 「またそりゃ……いきなりだな」 誰も通らない道に二人、翔太郎はさやかに向き合う。 愛機を傍らに停め帽子を被り直すと、大きく息を吐いた。 「何かあったのか?」 「…………」 答えはなかったが、固く握り締められた手が雄弁に語る。 「左さんもさ、皆を守るために戦ってるんでしょ? マミさんと同じで、さ……」 「間違いじゃ、ねえな」 「――だったらさ!」 叫びが、響き渡る。 「あたしが……あたしが恭介のために願いを叶えて戦うのも、間違ってないよね!?」 悲痛な表情を浮かべて、さやかは翔太郎に訴える。 「それは――」 さやかに、答えようとした時だった。 「――――!?」 ゾクリと、全身を悪寒が。 ――――余りにも、世界は静か過ぎた 「――ッ! さやかちゃん!!」 翔太郎が叫ぶと同時、世界が歪んだ。 魔女の結界が二人を飲み込む。 窓の外は、紫に染まっている。 ほんの数日前までだったら、この紫の空を自分の部屋から見ることなんて ありえない事だった。 魔女を探しては何時間も街を歩き回り、日が変わる頃に帰ってきて質素な 食事を摂って眠りに付く。 それがマミにとっての日常だったのだ。 でも、今は。 「んー……やっぱ竜くんが作るトマトソースにはならないなぁ」 振り返れば、キッチンに立つ亜樹子の姿。 自分のために晩御飯を作ってくれているその光景に、マミは心が 弛緩するのを感じた。 なぜなら、それはずっとマミが待ち望んでいたものだったのだから。 この一人では大きすぎた部屋も、今は心地良い揺り篭。 「ん? どしたの、マミちゃん?」 「……ううん、なんでもないです。亜樹子さん」 孤独を忘れるための魔女との戦いも、彼女がいてくれるのだからその意味もなくなる。 だから、自分はもう戦わなくて良い――そう思った時だった。 『――マミ、魔女が現れたよ』 聞き馴染んだその声がマミの耳を聾した。 「キュゥ……べえ……!?」 大事な親友が、そこにいた。 赤い瞳をこちらに向けて、マミを見ていた。 『マミ、魔女だよ。君の姿が見えなかったから教えに来たんだ』 「ま……じょ……」 『新しい魔女だけど、もう、結界を作って人を引き込んでるみたいなんだ。 早く倒しに行かないと大変な事になっちゃう』 「たお……たおす」 『……? マミ、どうしたんだい? 行かないのかい?』 これまでのマミなら、その親友の言葉に、すぐにでも飛び出して魔女の元へと 向かっていたに違いない。 だが、今のマミは――。 「い…………いや」 ――もはや、かつての巴マミではなかった。 『嫌? なぜだい、マミ? 訳がわからないよ』 「い、いや……わたし、もう戦いたくない! もう、こわいのはヤダ! もう魔女と戦いたくない!」 『だけど、マミ。君も分かってるはずだよ? 魔女と戦わないと君のソウルジェムは 濁る一方だ。そんな事になれば、どうなるか分からない君じゃないだろ?』 「でも……でも、私……!」 その正論に、何も言い返せなかった。 キュゥべえの言う事は何も間違っていない。 むしろ、間違ってるのは自分。 理性では理解しているが、しかし、感情はそうではなかった。 「もうヤダ! 戦うのなんてヤダ! 痛いのも、死にそうなのも、もうやだ!! 放っておいてよ! わたし……私、もう戦いたくない!!」 『マミ、それが君の本心なのかい?』 「だから何よ!! キュゥべえは私の親友でしょ!? だったら分かるでしょ!? 私だって普通の女の子なんだよ!?」 『でも、君は契約したじゃないか』 「契約したから何!? 私だって、普通の女の子みたいに生活したいの!! それくらいしたって、良いじゃない! それを望んで何が悪いの!?」 『……ふぅ。そうか、君がそう言うなら仕方ないね』 軽い溜息をついて、キュゥべえは部屋の窓際へと向かっていった。 それを、マミは震える自分の体を掻き抱えて見ていた。 そしてキュゥべえは、いつ開けたかわからない窓の隙間の前へ立つと、マミの方へと その赤い瞳を向けた。 『じゃあ、もう良いよ、マミ。君はもう必要ない』 「…………」 ガラス球のような無機物的な色を帯びた瞳が感情を乗せずにマミを射抜いた。 『魔法少女でありたくないと言うのなら、そうしたら良い。 ボクは、他の街の魔法少女に来てもらって魔女退治をしてもらうだけだしね』 その言葉には彼女への思いやりは一切なかった。 親友だと思っていた彼の言葉はとても冷たかった。 『じゃあね、マミ。もう会うことはないだろうけど』 そして、彼はマミの部屋から去った。 「マミちゃん? なんか、すっごい叫んでたけど……大丈夫?」 「ぁ……亜樹子、さん」 部屋に入ってきた亜樹子に、マミは狼狽した表情を浮かべた。 「えっと……もしかして、電話だった、とか? あ、それだったら アタシ、ちょーっち邪魔だったかな?」 「……いえ、大丈夫です。もう、終わりましたから」 「へ? あ、そう? あー……だったら、もうすぐ御飯だけど、たべるよね?」 「はい……」 胸が苦しかった。これまでにないほどに。 「そっかそっか。じゃあ、用意しちゃおっかな」 「……はい」 全身を襲う震えが、止まらなかった。 だから――。 「それじゃあ、まずはチーズとお皿を――おぉっ!?」 喋る亜樹子に、マミは抱きついてた。 「ま、マミちゃん?」 「お願いです、亜樹子さん……私を抱きしめてください」 「…………」 自分に抱きつくマミの手は震えていた。 彼女のこれまでを考えると、その手を振り解くことなんて亜樹子には出来なかった。 甘いのかもしれないけれど、そうするしか思いつかなかった。 「マミちゃん……」 マミの頭を撫でてやりながら、亜樹子は彼女の体を優しく抱きしめた。 昔、本当に小さい頃、父にしてもらったように。 「ぁ……」 和らいだマミの声、震えが落ち着いていくのが分かった。 「ママ……」 きゅっ、と亜樹子の服を掴むマミの手。 年頃より幼い少女の心を亜樹子は垣間見た気がした。 「ったくよ……運が悪いにも程があるぜ!」 悪態をつき、仮面ライダーと変身した翔太郎は眼前に迫っていた使い魔を蹴り上げた。 「――!!」 両腕と両足をバイクのホイールと化したソレは、悲鳴を上げる代わりに鉄のひしゃげた ような音を立てて異界化した高速道の壁に叩きつけられた。 「ひ、左さん……」 震えるさやかの声を背に受けながら、翔太郎は周囲を確認する。 異界化した高速道、隣接していたビル群は飴細工のように溶け落ち、代わりに 剥き出しの鉄骨が歪に組み合わさったオブジェが乱立している。 そして、その鉄骨の隙間から現れるのは今蹴り飛ばしたのと同じ使い魔達。 何十という群れを作って次々とアスファルトへと飛び跳ね、落ちてくる。 「ちっ……」 非常に不味い。翔太郎は超人の仮面の下で眉間に皺を寄せた。 この使い魔、それ自体は仮面ライダーとなった翔太郎にとって大した敵ではない。 蹴りを一撃叩き込むだけで吹っ飛ぶ程度の相手だ。 どれだけ数がいようと叩きのめす事自体はそう難しくない。 問題は、別。 ――美樹さやかだった。 後ろで震える少女、彼女が翔太郎にとってネックとなっていた。 仮面ライダージョーカーは近接戦闘に特化した形態、どうしても戦うには 彼女の側を離れなければならない。 だが、この状況下でそれは彼女を危険に晒す事を意味する。 「こんな時にフィリップがいねえなんてな……!」 最悪だ、翔太郎は考える。 フィリップがいればダブルドライバーを使って遠距離攻撃のできるフォームに チェンジすることが出来る。 しかし、今現在フィリップは単独行動で行方知れず。それに加えて、この魔女の 結界の中では電話など通じる筈もない。 まさしく、最悪だ。 しかし、こんな時だからこそ翔太郎の思考は最善に近い手を直感的に導き出す。 鳴海壮吉から教えられたノウハウと経験、そして仮面ライダーとなってからの 戦いの日々がそれを可能としていた。 視界の端に映るハードボイルダー、眼前に広がる整備されたままの高速道。 そして、波の様に迫るバイクの使い魔たち。 「……やるしかねえか!」 拳を返し、ハードボイルダーに翔太郎は飛び乗った。 エンジンに魂が吹き込まれ、エグゾーストノイズが咆吼を上げる。 「さやかちゃん!」 「は、はいっ!?」 漆黒の強化皮膚で覆われた手で、翔太郎は自分の後ろを指差した。 「後ろに乗るんだ、早く!!」 「え?」 「悪ぃが、俺と一緒に――――」 その瞬間、飛び出した使い魔が雄叫びをあげてハードボイルダーに襲い掛かった。 無防備な状態の翔太郎へと迫る使い魔――――しかし。 「――地獄をドライブしてもらうぜ?」 高速回転するホイールがその使い魔の頭部を噛み砕いていた。 地面を噛んだ前輪の勢いを殺さぬまま、跳ね上がったハードボイルダーの後輪は 更に激しい唸りをあげて使い魔を吹き飛ばす。 最高速度580km/h、ミュージアムによって開発されたマシンが生み出すその破壊力。 吹き飛ばされた使い魔は立ち上がる事無く霧散した。 「さあ、さやかちゃん!」 投げ渡されるヘルメット。 それを受け止め、さやかは翔太郎と視線を交わす。 「乗ってくれ!!」 僅かな逡巡もなかった。髪が乱れるのも構わず、さやかはヘルメットを 深く被り、翔太郎の後ろに飛び乗った。 「オーケー……しっかり掴まってろッッ!!」 アクセルを回し、エンジンが雄叫びを上げた。 バーンアウトの白煙と共に、ハードボイルダーはロケットスタートで 異界のコースへと飛び出した。 ――使い魔とのバイクチェイスが幕を上げる。 一陣の風が大気を裂く。 エンジンノイズが轟き、異界化した高速道が軋みを上げる。 「きゃあああああああああ――――――っっっっ!!!!!」 そんな中で悲鳴を上げるさやかの声は、しかし、爆音をあげるハードボイルダーの 雄たけびの中に掻き消される。 ――時速300k/h まだまだ速度をあげる暴れ馬を翔太郎はいとも容易く乗りこなしていた。 それは、身体能力を引き上げる【ジョーカー】のメモリの力だけによるものではない。 それは、数々の修羅場と数々の経験に裏打ちされた翔太郎自身の実力によるもの。 「うぉぉぉぉぉ―――――らぁあッッッッ!!!」 道路上を並行して追いすがってくる使い魔の集団を、翔太郎はハードボイルダーを片手で 征し、裏拳でしこたまに殴り飛ばした。 「――!!」 その衝撃、バランスを崩した使い魔は一瞬でアスファルトに叩きつけられ、周りの仲間を 巻き込みながら粉々に砕け散って後方へと流れ去った。 「しょ、しょうたろ――さっ!」 「悪ぃな、さやかちゃん。もう少し辛抱してくれ!」 後ろで必死にしがみつくさやかにそう声をかけて、更に翔太郎はアクセルを引き絞った。 ――――時速400キロ もはや、さやかの目には周りの景色は流線のように一つの形には認識できなかった。 いや、そんなものに気を使う余裕すら今のさやかにはなかった。 翔太郎の体を握り締める腕、これを離した瞬間に自分がどうなるかを考えれば ただただ、彼を抱きしめる腕に集中するしかなかった。 しかし、そんなときでも、頭のどこかは冷静になるもの。 さやかは、今この状態になっても自分達を助けに来ないマミのことを考えていた。 (やっぱり、マミさんはもう……) この前の魔女との戦いの一部始終を思い出す。 魔女に危うく殺されかけ、恐慌状態に陥った彼女の姿を。 あんなに頼り甲斐のあった彼女の、これほどまでにない情けない姿を。 (もう、マミさんじゃ無理なんだ……) さやかの中で、マミの存在は最早大きな割合を占めるものではなくなっていた。 そして、それ以上に。 (だったら、魔女と戦える魔法少女は……もう) さやかの思考は、明らかに悪い方向へと向かっていた。 「……ちっ!」 一向に数を減らさない使い魔に、流石の翔太郎も舌打ちをせざるを得なかった。 (思ったよりもコイツら速ぇ! 引き離せばなんとかなると思ったけどミスったか!?) 口には出さないが、内心で焦りを覚える翔太郎。 プランとしては、使い魔を完全に引き離した上で、さやかを安全な場所に隠して 自分が始末をつけるつもりだった。 ――だが、こうも追いついてくるようでは。 そう考えた瞬間、一瞬だけ翔太郎の緊張が緩んでしまった。 思考に気を取られたその代償、それを翔太郎は自分自身で見せ付けられることとなった。 「――――なっっ!!」 目の前に降ってきたのは、一体の、それも、たった一体の使い魔。 だが、それが不味い。 非常にまずかった。 ――時速500キロ それは、反応しても遅すぎる距離。 思考の停滞が招いた完全な失態。 1秒の間を置く事無く。 コンマ秒の後。 「しょ――」 「くっ―――!!」 ハードボイルダーは、使い魔と激突し、空を舞った。 燃え盛る炎、崩れ落ちる家屋、息絶えた人々。 その中を闊歩する、異形の怪人グリード。 彼等に恐れをなすように、炎までもがグリードの歩く周囲を避けていく。 それは、まるで王の行進。 何人も妨げる事が許されない。 だが、そんな彼等の前に、幾人かの少女達が立ちはだかる。 その手に握られていたのは宝石、ソウルジェム。 「へぇ、また実(み)?」 「あらぁ、かわいいお嬢ちゃん達ねぇ」 「オーズちがう」 「奇跡売りか」 脆弱極まりない人間の、しかも少女達が自分達に立ち向かおうとする姿に 彼等は各々に反応を見せた。 だが、そこに警戒の色はない。むしろ、侮辱の色すらある。 それに少女達は怒りを露にした。 ――父さんを!! ――母さんを!! 奪われた者の名を少女達は叫んだ。 グリードに殺され、奪われ、ヤミーの苗床にされた大事な人達。 怒りと絶望に打ちのめされた彼女達には、もう何もなかった。 カラッポの、器だけ。 そんな彼女達の前に現れたのは天使だったか、悪魔だったのか。 『ソレ』が求めたのは『契約』。 『ソレ』が叶えるのは『奇跡』、そして『希望』。 少女達に選択はなかった。 彼女達は選んだ、グリードを倒せるという『希望』に全てを託して。 ――これは、神の与えてくれた奇跡なのだと。 . 少女達の手の中にあったソウルジェムが大きな光を発する。 一瞬でボロだった服は光り輝く衣装に置き換わり、ジェムは彼女達を彩る 装飾になり、到底少女では扱えそうもない武器がその手に握られた。 そして、少女達はグリードへと戦いを挑んだ。 父の仇、母の仇、恋人の仇だと叫び、彼等に一心に憎悪を傾けて。 戦斧を振り回し、大槍を投げつけ、大剣を叩きつけ、千の矢を射る。 圧倒的な破壊が全て、グリードへと注がれる。 炎は消し飛び、崩れかけていた家屋はその形を止めることが出来ず崩壊し 大地は、魔法少女の力で抉られる。 巻き起こる噴煙、その凄まじい力に少女は体を震わせた。 ああ、自分達があの怪物を倒した、と。 ああ、王の造ったバケモノが死んだ、と。 それは歓喜の眼差し、勝利を確信し、その光景に見とれた。 互いに手を取り、喜びの声をあげた。 ――だが。 次の瞬間、一人の少女の体が半分に裂かれた。 血飛沫を上げ、吹かれた枯葉のように空を舞う。 何が起きたか分からないまま、電撃がもう一人の少女を焼く。 炭化した体、可憐な衣装は、もはや服の様相を呈してはなかった。 そして、土石流。 岩石が大波になって少女達を飲み込み、すり潰した。 それはほんの一瞬の出来事。 次の瞬間に、そこに残っていたのは虫の息の、たった一人の魔法少女。 周りには、もう誰も生き残ってはいなかった。 代わりに少女の目の前に立っていたのは、あの怪人たち、グリード。 「ア……ああぁ……!」 希望が、絶望へと塗り替えられていく。 ジェムがそれに呼応するように、ドス黒く濁っていく。 「――――――アァァァァアアァ7テnッワm8ッぺ7xhq9wく!!!!!!!!」 そして、少女は絶望の雄叫びを上げた。 それはもう、人の声ではなく。 ひび割れるソウルジェム。 あふれ出す黒い霧。 少女を霧が包み、そして――。 少女は――。 BACK 4 partC Next 5 partB
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後日編集
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《鹿目 まどか(P008)》 キャラクターカード 使用コスト2/発生コスト2/赤/AP0/DP0 【魔法少女】 このカードは、自分の【魔法少女】を持つキャラ1枚につき、+10/+10を得る。 このカードがポイント置き場に置かれた場合、自分の全ての『魔法少女まどか☆マギカ』のキャラを活動状態にする。 (怖いけど、でも……。) プロモカードで登場した赤色・【魔法少女】を持つ鹿目 まどか。 自分の【魔法少女】キャラ1枚につきAP・DPが10上昇する効果、ポイント置き場に置かれた時に自分の『魔法少女まどか☆マギカ』キャラ全てを活動状態に戻す効果を持つ。 このカード自身が【魔法少女】をもつため、単独ではAP・DP10となる。 【魔法少女】キャラがいればいるほど強くなる。他に4枚いればAP・DP50となり、コスト2としては脅威のステータスを得る。 また、ポイント置き場に置かれた時に全ての『魔法少女まどか☆マギカ』キャラを活動状態に戻せるのは非常に強烈。 ブレイクとして使え、一発で状況をひっくり返すことができる。 さらに恐るべきことに、相手のアプローチ以外でポイント置き場に置かれても効果は発動する。 置き換える効果と組み合わせれば非常に強力。 プロモカードのみ存在し、コンプリートカードコレクション 魔法少女まどか☆マギカの付録となっている。 カードイラストは版権絵。フレーバーは第2話「それはとっても嬉しいなって」でのまどかのセリフ。 関連項目 【魔法少女】 活動状態 収録 魔法少女まどか☆マギカ P-008 プロモカード 編集
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「あ、良かった。目が覚めたんだ。ウェーーーイ」 ほむら「何をハイテンションになってるのかしら、剣崎?」 剣崎「うわっ、何のもったいつけもなく呼び捨てで正体ばらされたよ」 ほむら「あなたの無意味な正体隠し演出なんてどうでもいいわ、何故私の夢の余韻を台無しにするような事をしたのと聞いているの」 剣崎「なんか、負けたくなかったんだよ」 ほむら「誰に!?」 どうやら、橋から落ちて気絶した私を彼が見つけてここに運び込んでくれたようだった。 全身の傷にはちゃんと処置が施してある。見た目によらず器用な男のようだ。 服も新しい物に着替えさせ・・・・ ほむら「この服はどうしたんですか?」 剣崎「近くの洋服店で買って来たんだよ。すごく恥ずかしかったんだからな」 ほむら「・・・そうですか、それで着替えは誰が?」 剣崎「俺だよ!!、仕方ないだろ、緊急事態だったんだから」 ほむら「あら、知り合いの女性に頼むという手もあったのですが?」 剣崎「他の人になんて言える訳がな・・・・あっ」 唐突に気まずそうな表情になる剣崎。 そうだった・・・以前の私なら真っ先に気にした所じゃないか ほむら「見たのね・・・」 剣崎「ああ、やっぱり君はあのピンクの魔法少女で・・・アンデッド・・なんだな」 ほむら「ええ、その通りよ。それで?、それを知ったあなたは私をどうするつもりなのかしら?」 剣崎「解らない。君が悪い人間・・・いやアンデッドじゃない事は一緒に居て解る。信じたいとは思う。だけど、君に何度となく襲撃されたのも事実だ」 申し訳そうな中に敵意を交えた表情でそう告げる剣崎 ほむら「ああ、あれは店に攻撃して来たアンデッドを横取りされて機嫌が悪かっただけよ。」 剣崎「それは・・・安心材料なのか?」 ほむら「信じてもらうつもりはないわ。実際、私は人類の味方という訳ではない、他のアンデッドと同じよ」 剣崎「でも、別に人を襲う訳でもないんだろ?」 ほむら「そうね。昔は襲っていたかもしれないけれど、少なくとも今はそういう衝動はないわ」 剣崎「だったら信じるよ。いつもお世話になってるしさ。」 ほむら「勝手にするといいわ」 別に信じてもらう必要もないのだけれど、わざわざ確認を取らないと信用できないという態度に僅かないら立ちを感じ、棘のある言葉を吐いた。 いや、そもそもまどかの様な娘が異常なのだ。ここはいら立つところじゃない。 剣崎「あ、そうだお粥できてるんだけど食べるか」 ほむら「あら、意外と家庭的なのね。折角だからいただくわ」 剣崎「お粥ぐらいは誰にだって作れるよ。ほらっ」 お椀に入ったお粥を差し出してくる剣崎 ほむら「・・・・・」 剣崎「どうした?、受け取れよ」 ほむら「怪我人に自分で食事をさせようなんてなっていないわね。」 剣崎「どうしろって言うんだよ・・・」 全く、なっていない男だ。 仕方がないので口を大きく開いて見せる。これで解らなければどうしようもない男に認定してやる。 剣崎「ええっと、つまり食べさせろ、と・・・ほらっ」 お粥をスプーンですくい口先に差し出してくる。 ほむら「フーフーはないのかしら?」 剣崎「自分でやれ!!」 何ともサービスの悪い事だ。まどかはちゃんとやってくれたのに とりあえず軽く息を吹きかけてから口に入れてみる。 剣崎「どう?」 ほむら「美味しいわ。まどかの物程ではないけれど」 剣崎「まどか・・・詢子さんの娘さんだよな。君が変身している時の姿がその娘に瓜二つだそうだけど」 ほむら「・・・ええ、その通りよ。誰に聞いたのかしら?」 剣崎「QB所長、何か耳から羽根みたいなのが生えて輪っかの着いてる白い猫みたいな・・・」 ほむら「あいつか・・・」 剣崎「聞かせてくれないかな、君とまどかさんにどんな縁があるのか」 思い出したようにお粥を掬って差し出してくる剣崎。 ほむら「ふぉうへ、おうへひああひ」 剣崎「いや、呑み込んでからでいいから」 自分で変なタイミングに差し出して来ておいて諭し口調なのが何だかムカついた ほむら「そうね、どうせ暇だし、助けてもらった恩もあるし、聞かせてあげるわ」 私は剣崎に語り聞かせた、まどかと出会い、この街にやって来た顛末を。(ここ数回のエピソード参照) 剣崎「そうか・・・いい娘だったんだな」 お粥を掬って寄こす剣崎。 だから返事のタイミングで出してくるのをやめないか QB「それは実に興味深いね、まさか僕が殺されていた間にそんな事があったとは」 ほむら「ぶふーーーーっ!!」 突然の事態に口に含んでいたお粥を目の前の白い物体に向けて噴き出してしまった QB「口から炭水化物を飛ばすのが君のアンデッドとしての能力かい?、意外とショボいんだね」 ほむら「何であんたがここにいるの!?」 剣崎「ああ、アンデッド反応を感知してここに来る時に一緒に来たんだよ。それで薪集めをお願いしていたんだけど」 QB「ああ、ばっちり集めて来たよ」 スポポポンっと音を立てて背中の穴から大量の薪を射出する謎の白い物体。 何て非常識な。 ほむら「私の前に姿を現すとはいい度胸ね」 ベルトを現出させ、カードを・・・カードがない!? ほむら「まどかは!!、私のまどかはどこ!?」 剣崎「色々な意味で落ち着け!!、カードは俺が預かってる。ほらっ」 差し出されたカードケースを受け取る。changeのカードは!?、あった ほむら「まどか~、よかった~。では早速」 カードをベルトにラウズしようと構える 剣崎「だから待てって」 ほむら「あうっ」 剣崎のチョップが炸裂する。ズベシっていう良い音がした QB「いい加減に僕の顔を見るたびに殺しにかかるのはやめてくれないか。代わりはいくらでもいるけれど、もったいないじゃないか」 剣崎「その・・・今までの話でもそうですけど、QB所長って死んでもスペアのボディがある感じなんですか」 QB「厳密には別の個体だけどね。それぞれが情報を共有しているからすぐに引き継ぎが可能なのさ」 剣崎「うわぁ・・・・」 なるほど、道理で何度殺しても湧いてくる訳だ。 QB「君の目的は鹿目まどかを元通り対話のできる状態に戻す事なんだろう?、僕としても今の状態は好ましくない。君さえよければ協力するよ」 ほむら「まどかが死にそうなのをあっさりと見捨てた様な奴を信じろと言うの?」 QB「あの時はもはや鹿目まどかは魔女になる以外に道はない状態だった。僕は事実を告げたに過ぎないよ。まさかラウズカードの感情吸い上げ効果で魂丸ごと取り込むなんて手段があるとは思わなかったけど」 ほむら「元に・・・戻せるのね」 QB「確証はないよ。だけれど理論的には可能なはずだ。ある程度の研究期間をもらえれば実現できるかもしれない」 ほむら「わはっはわ、いひびひゅうへんふぉいふぃあふぉう」 口の中の物を一旦呑み込む ほむら「だから、タイミング考えて差し出しなさいって言ってるのよ!!」 剣崎「いや、言ってないし。タイミング合わないなら無理に口に入れなくてもいいだろ・・・」 ほむら「おほんっ、解ったわ、一時休戦といきましょう」 Next カードキャプター佐倉 第二章 31
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風波 まどか(SR-1) ◆ステータス 種族 コスト 支配力 人間 2 1 レア スロット HP 攻撃力 SR 0 2 0 LV2 LV3 LV4 LV5 LV6 LV7 - - - - - - ◆カード能力 能力1 精気譲渡 退却:【リーダーの「秀哉」の移動で退却】味方リーダーのLPを15回復する。 能力2 甘い誘惑 全エリア:《甘い誘惑》を持つ配下が3枚以上存在する時、そのカードの枚数分リーダーの「秀哉」の攻撃力を“+”する ◆考察 甘い誘惑カードの1枚。 ◆入手方法 イベント等まどかイベント(天使ルート7章) ◆バトルボイス 登場 (未編集) 攻撃 (未編集) 敵を撃破 (未編集) 能力発動 (未編集) 退却 (未編集) 関連リンク 風波 まどか 仙崎 秀哉
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夜が明けて朝が始まる。ごく普通の女子中学生――美樹さやかは、 いつものように起きて、いつのものように支度をし、親友二人と待ち合わせて登校する。 既にその一人である志筑仁美は待ち合わせ場所に来ていた。もう一人が来るまで、彼女と適当に雑談で暇を潰す。 話す内容と言えば、学校の勉強、行事。テレビや雑誌の話題、家族のこと、週末に遊びに行く計画等、極々ありふれたもの。 今日も昨日と同じ、そして明日も多少の違いはあれど、いつも通りの一日が過ぎていくのだろう。 そう、だから友人の一人である鹿目まどかが少し遅刻してきたことくらい、些細な誤差に過ぎないと思っていた。 彼女のトレードマークのリボンが、昨日までのものと異なっていたことも。 ただ、そんな些細な変化も、退屈な日常では重要なエッセンスになる。さやかは、そんなまどかをからかいつつ歩を進めた。 「変な夢……見たんだよね」 話題をリボンからそらす為か、まどかが今朝の遅刻の原因を語り出す。厳密には、それが直接の原因ではないらしいのだが。 「夢? どんな夢?」 「んっと……笑わない?」 もじもじしながら、顔を赤らめるまどか。 可愛らしい小さな身体と顔。おまけに無造作にこんな仕草をするのだから、女のさやかから見ても堪らない。 「笑わない笑わない」 「……やっぱり内緒」 まどかは言い掛けてそっぽ向いてしまう。 しまった、やはりニヤニヤが顔に出ていたのか。と、さやかは心の内で反省する。 だからと言って、気になるものは気になるのだ。 「えー、何それ」 「隠されると余計に気になりますわ」 「だって笑われちゃうもん。私だっておかしいと思うくらいなんだから」 ここまで言い渋るとは珍しい。よほど恥ずかしい夢なのかと考え、 「はは~ん、さては気になる男子の夢でも見たんだな~」 ピンときた。と言っても、年頃の女子中学生が見る語りたくない夢となれば、 色恋沙汰しか考えられないという、さやかの単純な推理だったのだが。 「ええ!? 違うよ! そんなんじゃなくって……」 「そうかそうか。まどかにもついに気になる男子ができたのかぁ……」 「まぁ……これはお赤飯ですわね」 「だから違うってば!」 案の定、まどかは真っ赤になってかぶりを振る。どうやら嘘ではないらしい。 でも、まどかの反応があまりにも可愛いので、もう少しからかいたくなる。 「それじゃリボンを変えたのも何か心境の変化ですの?」 仁美も乗ってきたようだ。まぁ、彼女の場合は天然なのだろうが。 まどかはというと、やっぱり必死で否定している。 あまり弄り過ぎても可哀想なので、さやかはさり気なく助け舟を出した。 「色気づいちゃって、このこの。そうだよね、やっぱり仁美みたいにもてたいよねー」 「私……ですか?」 「またラブレター貰ったんでしょ? もてる女は辛いね~」 「仁美ちゃん綺麗だもんね。誰かに決めたりしたの?」 まどかも誤魔化しついでに恋愛談議に興じている。 矛先が向いた仁美は、やや困り顔で頬を赤らめている。 まどかとは違うタイプだが、こんな姿も絵になるのが彼女だ。 「私は、その……お稽古事もありますし……なかなか殿方とお付き合いする間も……」 「へー、もったいない」 と、さやかが油断していた時である。 「そういうさやかさんはどうなんですの?」 不意打ちだった。 人に振っておきながら、まさか自分に振られると思っていなかったのだ。 「え……あ、あたしは、ほら、別に……」 しどろもどろになるさやか。心当たりがあるからこそ、思わず照れてしまう。 脳裏に浮かぶのは一人の少年。上条恭介――今は市内の病院に入院している、幼馴染の少年だった。 「その慌て様、怪しいですわ……。どなたなんですの? さやかさんの乙女心を射止めた殿方は!」 仁美が逆襲とばかりに食い付いてくる。さやかは、それをかわすので精いっぱいだった。 にしても、だ。 その絡みようが、やけに迫真に感じられるのは気のせいだろうか? 「私、悲しいです……。さやかさんだけが一足先に大人の階段を上るなんて……」 泣き崩れる振りをする仁美。 まるで、冗談のヴェールの向こうに、何か重大な真実を覆い隠しているかのような……。 疑問に思いこそすれ、さやかが、その真意に気付くことはなかった。 「だから上ってないって! ちょっと、まどかも何とか言ってよ――って、まどか?」 助けを求めようと彼女を見やると、まどかの視線はまったく別の方向に向いていた。 歩くうちに、いつの間にか三人は公園を横切る十字路に差し掛かっている。 通勤通学の時間帯だが、交差する道から歩いて来ている人間は一人だけ。 まどかの視線は、その人物に向けられていた。 真っ白な、脛の辺りまで丈のあるロングコートを翻し歩く男性。開いたコートの内側は上下共に黒。 かなり目立つ服装だ。 歳は二十代半ばといったところか。髪は茶、顔立ちは整っており、美男子の枠に入るのだろうが、 その精悍に過ぎる顔つきは戦士のよう。アイドルのように軽い印象を抱くことを許さない。 纏っている雰囲気からして常人とは違う男は、やや早足の堂々とした歩き方で三人に近付く。 目は前だけに向きながらも一分の隙もなく、どこか遠くにある目標だけを見据えているふうにも見えた。 何故だろう、目が離せない。彼の眼に、強い意志の光を放つ瞳に吸い寄せられる。 まどかとさやかは歩幅を落とし、彼とぶつからないよう道を譲った。 徐々に接近する距離。 その時、三人の目と目が合う。初めて彼が、まどかとさやかを視認した瞬間だった。 それも束の間、すれ違った彼は再び前だけを向いて歩きだした。 「どうかしましたか? まどかさん、さやかさん?」 唯一気付かなかった仁美は首を傾げているが、まどかとさやかは彼が通り過ぎてからも、 背中を目で追っていた。 「不思議な人……」 「て言うか、変な人……」 彼はその後、道の端に寄って指輪にブツブツ話し掛けている。 そもそも、こんな暖かい季節にロングコートなんて着ていることからしておかしいのだ。 まどかは、その後も暫く彼を眺めており、釣られてさやかも見てしまう。 このままでは埒が明かないので、 「ああいう人が、まどかのタイプなんだ」 ぽつりと言うと、まどかはハッとなって、ようやくさやかを向いた。 真っ赤になって手をパタパタ振っているのが、また面白い。 それはまどかを動かす為の冗談が半分、自分の気持ちを誤魔化すのが半分。 彼が気になるのはさやかも同じ。だが一目惚れなんてロマンティックなものでは断じてない。 言葉では形容しづらいが、言うなれば匂い。日常ではまず出会えないスリル。 彼の纏う非日常の空気がさやかの視線を捕らえた。 住んでいる世界が違う。そこにいるのにいない、存在する時間や世界がズレているような感覚。 おそらくだが、まどかも同じ印象を抱いたのだろう。 不安と期待が入り混じった、漠然とだが何かが始まりそうな予感。 さやかはただ、胸の内に湧いた奇妙な感覚に翻弄されていた。 ――運命ってのは確かにあると思う。 もし、まどかが遅刻していなければ、彼とすれ違うこともなかった。 こんな……本当に小さなきっかけで、僅かな変化で未来は大きく変わる。 もし、彼に出会っていなければ、あたしの人生はまったく違うものになっていた。 些細な出来事の積み重ねで将来は形作られているんだと、つくづく思う。 なるほど。これが、いわゆるバタフライ効果という奴か。 全ての物事には発端がある。 ただし、あたしの場合、始まりを何処に定めるかが難しい。 あたしを取り巻く日常、という意味ならば、この時点ではまだ薄皮一枚で繋がっていると言えるだろう。 けど、この街の平穏はとっくに終わっていたんだ。ただ、あたし達が気付かなかっただけで。 いや、正確には知ってはいた。連続する怪死、変死、自殺に失踪――それらは隣の県だったり隣町だったりしたけど、 市内でも数人、犠牲者は出始めていた。 でも、どこか自分からは遠い場所で起こったものという認識が拭いきれなかった。 それらの事件を調べると、遠くから少しづつ、でも確実に、この街に近付いていたのに。この街を蝕んでいたのに。 あたしは、そんなことにも気付かず、のん気に笑っていたんだ。この日、この時までは。 だから、あたしは始まりをこの時に置こうと思う。敢えて、あたしの日常が消え去る夜ではなく、彼との出会いの朝に。 きっと逃れられない運命って奴は、遠からず訪れる、あたしという人間の終焉に向けて、この時から加速を始めていたんだ。 他愛のない話題、温い日常。けれど全部が大切で、掛け替えのない時間だった。 でも、それを自覚したのはずっと後。もう手を伸ばしても届かないという事実を突き付けられた後だった。 失って初めて大事だと気付く――なんてありがちで、聞き古した言葉。 ほんと、バカみたいな話……。 季節外れのロングコートを着込んだ男は、朝の街を歩いていた。 初めて訪れる街に戸惑う様子もなく、その歩みは堂々たるもの。 朝露に濡れる公園を抜け、女子中学生の三人組とすれ違った直後。 夜明けから数時間、これまで一度も休まず動き続けた健脚が初めて止まった。 『おい鋼牙、今すれ違った学生なんだが……』 男――冴島鋼牙は、相棒の呼び掛けに立ち止まる。 渋く掠れた、やや癖のある壮年男性の美声。が、肉声ではない。 機械を通したかのように、くぐもった声だ。 しかし鋼牙は一人である。周囲には誰の姿もない。 声は、鋼牙の左手中指に嵌められた髑髏の指輪からだった。 「どうした、ザルバ」 《魔導輪・ザルバ》。それが、この指輪に付けられた名前である。 人知れず使命に臨む鋼牙をサポートする唯一無二の相棒、それがザルバだった。 『あのお嬢ちゃんたち、何かおかしい……。 力を感じる。ホラーとは似て非なる力……あれも魔力と言っていいのかどうか……』 銀色の髑髏、ザルバは発声に合わせてカタカタ顎を慣らした。 ザルバにしては珍しく歯切れの悪い答えに、鋼牙も眉をひそめる。 「誰だ? 全員か?」 『いいや、あの小さな赤いリボンの娘だ。とんでもないレベルの力を秘めてる。 それに比べると大分落ちるが、隣の青みがかった髪の女もだな』 「確かなのか?」 鋼牙は普段、彼の探知能力に全幅の信頼を置いている。 故に疑いの言葉を口にすることなど滅多にないのだが。 『わからん。俺様も初めての感覚だ。だが、おそらくは……魔法少女……とやらじゃないのか?』 「魔法少女、か……」 言いにくそうにザルバは言葉を濁した。鋼牙自身、未だに慣れない単語ではある。 話には聞いていたが、よもやそんなアニメのような存在がいるとは、俄かに信じ難かった。 そんな鋼牙の心境を察したのか、ザルバが的確なフォローを入れる。 『おいおい。俺やお前も十分、ファンタジーだぜ。ただの人間からすればな』 「それもそうだがな」 信じ難くはあるが、かと言って、その存在を疑ってもいない。 何故なら、彼女ら魔法少女が敵対していると聞く怪物、《魔女》と鋼牙は戦った経験がある。 夜の街を歩く仕事の特性上、場所によっては出くわすこともあったのだ。 それは鋼牙の敵、魔獣《ホラー》とはまた別種の魔物だった。 だが鋼牙は、こうしてここにいる。数体の魔女を屠り、今も生きている。 となれば無論、只人ではない。 《魔戒騎士》。 闇の世界に生き、魔獣ホラーを狩る剣士。魔法少女以上に、宵闇に深く身を沈めている。 もっとも鋼牙の場合、魔法少女なる存在がいると聞いただけで、直接会ったことはない。 しかし、ホラーとも異なる怪物を目の当たりにしては信じざるを得なかった。 『で? どうするんだ?』 「どうもしない。俺は俺の使命を果たすまでだ」 『言うと思ったぜ。じゃ報告だ。この街にもホラーは既に潜んでいる。複数……はっきりとはわからないが、かなりの数だ』 魔獣、ホラー。 魔女よりも凶暴で醜悪な、魔界より来たる獣。人の肉も魂までも喰らう悪食。 人の天敵。 万物に存在する闇、即ち《陰我》に寄生――人の欲望や怒り、憎しみ、果ては愛情にまで付け込む。 時には想いの込められた物も憑依の対象になる。 「既に人に憑依しているホラーが複数、という意味か?」 『さぁな。俺は気配を感知するだけだ。何せ、街に入る前から不穏な気配はぷんぷんしていやがる。 どうやら、この街は格別に陰我が濃い。おまけにホラー以外のものまで混じって、ろくに鼻が利かないと来た。 皮肉なもんだぜ、見た目はこんなにも綺麗好きなのにな』 ザルバの言う通り、この見滝原の街はどこも整備され、真っ白で小奇麗な街並みを誇っている。 だが、中身は他の街と大差ない。暮らしているのは同じ人間。 嫉妬、不安、誰もが心の内に闇を抱えている。故に、どんな街もホラーの餌場であり隠れ家となり得る。 「素体ホラーが何体も現れていれば、とっくに番犬所が察知しているはずだ。奴らに、いつまでも隠れて人を喰らうだけの知恵はない」 『どうかな。気配を断って隠れる場所なら、いくらでもある。結界がそこかしこにあるようだしな。 これほどうってつけの街はそうそうない。しかしなんでまた、この街はこんなにも混沌としている?」 ザルバの疑問に鋼牙は答えを持たない。 魔女とホラーの共通点の一つに結界がある。魔女は必ず、ホラーは時折、結界を張る。 こうなると捜索は容易ではない。ザルバの力に頼るにしても、近付いて目視しなければ判然としない場合も多い。 となれば、結局は足が頼み。 幸い、時刻は朝。魔女もホラーも活発に動けない。訪れたばかりの街を散策する時間は十分にある。 『一つ、確実に言えるのは――鋼牙、敵はホラーだけじゃないぜ? もう一度聞く、どうするんだ?』 「まずは街を見て回る。エレメントがあれば浄化していく。その過程で得られる手掛かりもあるだろう」 『あの二人は放っておいていいのか?』 「制服は覚えた。曖昧なものなら、まずは様子を見る。この街にも魔法少女はいるだろう。探すなら、そっちが先だ」 『フフフ……ま、どうせお前のことだ。このまま知らない振りで立ち去るとは、俺様も思ってなかったがな』 最初から答えのわかり切った質問だった。こう答えることもザルバなら百も承知だろう。 これは確認ではなく彼なりの鼓舞であり、彼の好きな軽口だった。 『しかし残念だったな、鋼牙。ようやく指令を終えて帰れるところだったってのに。 使徒ホラー殲滅の次は、偶然に立ち寄った奇怪な街の謎解きとホラー退治か。難儀なもんだ』 面倒臭そうにザルバがぼやく。 鋼牙はここ数ヶ月、番犬所からの指令を受けて日本中を飛び回っていた。 つい先日その指令を完遂し、我が家に戻る途中、ふと立ち寄ったのがこの街。 番犬所とは、鋼牙のようなホラーを狩る魔戒騎士を束ねる協会であり、その指令は絶対。 指令に逆らえば厳しい罰が待っている。 だが、誰に言われなくとも、元より人を喰らう存在を許す気はない。それがホラーであろうと、なかろうと。 「それと、魔女も見つければ狩っていく」 自身の信念の下、鋼牙は街に留まる決意を固めた。 「やれやれ……仕事でもないってのに。また厄介事に首を突っ込む気か? 鋼牙」 呆れ声のザルバに、鋼牙は答えなかった。必要がなかったからだ。言葉にしなくても、相棒は誰より知っている。 冴島鋼牙とは、そんな頑固で不器用な生き方しかできない男。 誓いと己が正義を決して曲げず、愚直に貫く男だ。 守りし者となれ。そして強くなれ。 片時も忘れず、胸に秘めている父の言葉。 人に仇なす敵を打ち倒し、人を守るという約束。 人には守る価値がある。たとえそれが強欲故にホラーに取り憑かれるような人間であっても。 この世に喰わせてもいい命など、一欠片たりともありはしない。 だからザルバも軽口で応じる。それが、彼らなりの絆のあり方だった。 「いや、違うな。厄介事がお前を呼んでるのさ。 来るなら来てみろ、ってな。これは無敵の黄金騎士様の宿命か?』 「同じことだろう」 『違いない』 鋼牙はザルバの応答に初めて苦笑すると、数秒程度の、しかも立ったままの休憩から歩きだした。 己が無敵だなどと豪語するつもりは毛頭ない。だが自負はある。誰にも負けないという自負が。 それだけの修業を積み、修羅場を潜ってきた。驕りと誇りは別物だ。 打ちのめされる度に二度と揺るがぬよう成長した心。 二十年以上の歳月を費やし、実戦の中で研鑚した技。 ある日を除けば、一日たりとも休まず鍛え抜いた体。 それらは決して裏切ることはない。確固たる自信と経験として鋼牙に宿っている。 鋼牙には強くあらねばならない理由があった。敗北が許されない理由があった。 魔戒騎士の系譜は長く、黄金騎士だけでも幾十に亘る先達が、過去すべての騎士を含めれば数百人にも上る。 ホラーとの戦いの中で斃れていった者。後継者を育て天寿を全うした者。不幸にも魔道に堕ちた同胞に命を奪われた者。 最期は様々だが、鋼牙は彼らの名を穢さぬよう、英霊の魂に報いるよう、最強でなければならなかった。 騎士の頂点に立つ称号を得た者として。 だからこそ鋼牙は戦う。強いからこそ、強者は矢面に立って人を守らねばならない。 闇より来る魔獣から人々を守護する最後の盾であり、最初の剣であれ。 それこそが魔戒騎士の矜持であり、責任であり、宿命。 冴島鋼牙。 亡き父から、黄金の剣と黄金の意志を受け継いだ男。 そして厳しい修行の末、黄金の鎧の召喚を許された男。 鋼牙に与えられた、もう一つの名。 光の世界に背を向け、戦いを日常とし、平穏を捨てた対価に得たもの。 それは闇に光を、絶望に希望をもたらす魔戒騎士中、最高位の称号。 即ち、最強の証。 その名は――。 BACK 牙狼―GARO―魔法少女篇 1 Next 牙狼―GARO―魔法少女篇 3 目次に戻る